山口商工会議所(河野康志会頭、TEL083-925-2300)は、新型コロナウイルスに起因する市内経済への影響を緊急調査した。その中間報告で、現時点で7割弱の事業者に影響が出ているなどの実態が明らかになった。
調査は、3月10日から19日にかけて、同商議所会員の550社に対してヒアリング。中間集計では、そのうち13日までに聞き取った250社の回答をまとめた。業種別の内訳は、小売業72社、その他サービス業71社、建設業30社、飲食業30社、製造業22社、卸売業14社、宿泊業2社、その他9社となっている。
まず「現時点」での経営への影響を聞くと、64%が「影響がある」と回答。「影響がない」は32%で、「わからない(懸念あり)」が4%だった。「影響がある」との回答が多かった業種は、宿泊業(100%)、飲食業(87%)、製造業(82%)、小売業(72%)、卸売業(71%)など。
「今後」の経営への影響については、「影響がある」が71%、「わからない(懸念あり)」が18%。「影響がない」は11%だった。すべての業種で「影響がある」との回答は増えており、宿泊業(100%)、製造業(91%)、飲食業(90%)、卸売業(79%)、小売業(74%)で多かった。建設業は、「現時点」は「影響がない」が53%と過半数を占めているが、「今後」だと10%にまで減少。逆に「影響がある」は43%から67%に増えている。
次に「影響がある」と答えた社に「具体的な影響の内容」を聞くと、「現時点」「今後」とも最も多かったのは「売り上げ・客数減少」(それぞれ46%、50%)で2番目は「予約キャンセル(機会喪失)」(同26%、22%)。「中国製品の入荷の遅れ」「商品欠品」との回答も多かった。
また「これから3カ月間で見込まれる損害」を聞くと、「売り上げの前年同期比20%以上減少」が43%で、「同5%以上」が38%だった。
「感染拡大への対策」は「社員への注意喚起」(30%)、「接客対応マニュアルの変更」(24%)、「店舗等の衛生設備等の整備」(22%)など。「衛生対策や危機管理マニュアルの有無」については、89%が「ない」と回答した。
「期待する支援策」は、「金融支援」(72%)がトップ。「中小企業支援策の情報提供」(59%)、「消費喚起の取り組み」(37%)がそれに続いている。
同商議所はこの中間集計を踏まえ3月17日、地元経済活性化策の強化を求める要望書を山口市に提出した。内容は、融資支援拡大や市税納付期限の延長等「緊急経済対策」、外食利用や土産品の市内販売促進等「消費喚起対策」、テレワークや時差出勤がスタンダードになる社会に向けた「将来対策」だ。
調査の最終結果は、3月23日(月)にまとまる予定だという。