[わたしのおうち時間]山本忠司さん
司馬遼太郎の「坂の上の雲」文庫版で全八巻の長編物語です。これは、司馬が構想から完結まで十年余りを要し産経新聞夕刊に連載されたもので、日清・日露戦争で活躍した四国松山の秋山好古、真之兄弟と俳人正岡子規等の交流を描いた青春群像と二つの戦争の実像を描いた部分に大きく二分されます。
なかでも日露戦争における旅順の二〇三高地の攻防戦において長州の人「乃木希典」が詠んだ漢詩に心が打たれました。二〇三高地を「爾霊山…爾の霊の山」とし、結びに、万人斉しく仰ぐ爾霊山と詠じて、斉しく仰ぐの文言と何故か「仰げば尊し」の歌が重なり合いどっと涙があふれたのを思い出します。他にも秋山兄弟と子規との交流など感動する箇所がいくつもありますが、空に輝く一筋の雲を目指して坂を上っていく明治期の人々を描き、精密な歴史分析がなされていて明治の歴史の勉強にも役立つ壮大な物語です。この機会に是非お薦めの本です。
[わたしのおうち時間]まるちゃんさん
小さなお子様をお持ちの方におすすめです。室内で親子で楽しく過ごせて、子供ともっと楽しく過ごしたい気持ちになる方法を教えてくれる本とホームページをお伝えします。本は「遊びとしつけ」(志田紀子 学陽書房)。私は図書館で借りて読みました。ホームページは育児カレッジ(http://www.asobitoshitsuke.or.jp)です。これからも皆の笑顔が広がりますように。