山口市中心商店街を皮切りに、品質にこだわった婦人靴を販売してきた老舗靴屋ニュー中村屋が、2月末で営業を終了。75年の歴史に幕を閉じた。中村社長は「お客様、社員、家族に心から感謝」と話す。
終戦直後の1946年、山口市大市町で両親が靴屋を創業。高校卒業後は上京して大学進学、就職し、26歳の時に帰郷。母親の反対を押し切って靴屋を継いだ。「『山口で一番小さい靴屋を山口で一番大きい靴屋にする』と、啖呵を切ったものだから後に引けなくてね。まず3年間はがむしゃらに働いた」と振り返る。阿東地域まで行商に歩くなどの苦労を重ね、最盛期は中心商店街に4店舗、ゆめタウン山口にも出店。
商売を営む若者たちに向けて「コロナ禍の今こそビジネスチャンス。商い(飽きない)で頑張って」とエールを送る。
【プロフィル】1949年山口市生まれの71歳。山口高、亜細亜大を卒業後、ダイエーに入社し、紳士服を販売する部署で2年半働く。その後帰郷して稼業の靴屋を継ぐ。ゆめタウン山口テナント会長は23年間務めた。趣味は「商売。仕事一筋」と笑う。