毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」。生活習慣病予防に対する意識向上や健康寿命の延伸を目指し、「“一無二少三多”で生活習慣病予防」がスローガンに掲げられている。一無は「無煙・禁煙―喫煙は万病の元」、二少は「小食―食事は腹七~八分目」「少酒―お酒はほどほどに」、三多は「多動―身体を活発に動かす」「多休―休養をしっかりとる」「多接―多様なつながり」。同協会では、2022年の強化テーマを 「多接」(多くの人・こと・ものとつながる)と設定。「多くの人、こと、ものと接し、創造的な生活をすることが、健康につながる」とし、様々な啓発活動を実施する。
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、偏った食生活や運動・睡眠 不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣と、家庭・社会環境におけるさまざまな因子の積み重ねによって引き起こされる病気の総称。具体的には、糖尿病、高脂血症、高血圧、骨粗しょう症などが挙げられる。中でも死亡率の高い悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患は「三大生活習慣病」と呼ばれている。厚生労働省の「2020年人口動態統計月報」によると、国内における死因全体の50.1%を、三大生活習慣病が占めている(グラフ参照)。
生活習慣病は、以前「成人病」と言われていたように、30代~40代で急増。しかし近年では発症年齢が低下し、若者や子どもにもその兆候が見られるようになってきた。初期段階では自覚症状がほとんどなく、気付かぬうちに自分の体が病気にむしばまれていたということもありうる。「自分はまだ大丈夫」「病院に行く時間が取れない」などと、健康診断を後回しにしている人は特に要注意だ。
また、コロナ禍で生活リズムや食生活の乱れから、肥満になったりストレスを抱えたりしている人も多いのでは。いつもと違う生活だからこそ、食事の栄養バランスや運動の習慣を意識し、生活習慣病の予防に努めよう。
予防するには?
内臓脂肪を減少させると、生活習慣病の発症リスク軽減につながる。コロナ禍の外出自粛などによる活動量の減少は、肥満の原因や生活習慣病の発症や進行にも悪影響を及ぼす。
生活習慣病予防協会が2021年に実施した「新型コロナウイルス感染拡大前後の体調変化や生活習慣」の調査によると、新型コロナウイルス感染拡大後、「体調不調を感じる」人が増え、 4人に1人は「体重増加」を実感している、という結果がある。
まずは運動を習慣づけることから始めよう。掃除や洗濯などの家事、徒歩での通勤・通学も運動になる。
次に食生活の見直しをしよう。脂っこいものや甘いものの食べ過ぎには注意。3食を規則正しく、よくかんで味わう。それが大食い防止や脂肪燃焼の効率アップにつながる。
禁煙も重要だ。喫煙は動脈硬化や高血圧を招く危険因子。吸う本人はもちろんのこと、煙を吸い込む周囲の人にも悪影響を及ぼす。
そして定期的に健康診断を受けよう。健康診断や定期検診は不要でも不急でもない。掲載の医療機関も参考に、生活習慣病への認識を深めるとともに血糖値や血圧などの数値の変化に応じて生活習慣を改善していこう。