阿知須地域の水不足を解消するため、1930年に完成した江畑溜池堰堤。近代土木技術の先駆けを示す文化財だ。
1930(昭和5)年に建てられた江畑溜池堰堤の貯水量は45万立方メートル。現在もかんがい用として約30ヘクタールの農地を潤している。
構造はコンクリートの重さで水圧を支える「重力式」で、主に昭和になって造られるようになったかんがい用のコンクリート堰堤としては、日本国内では最初期のものという。
堤の長さは68.8メートル、高さは14.4メートル。1964年に制定された河川法でダムの高さ基準は15メートル以上と決められたため、“ダム”ではなく“堰(せき)”に分類されている。
2001年、文化庁登録有形文化財(建造物)にも登録された。