「第9回バッハ礼讃音楽祭」が、8月11日(金・祝)午後1時半から、KDDI維新ホール(山口市小郡令和1)で開かれる。主催は「やわらかなバッハの会」(橋本絹代代表、TEL090-9074-2821)で、入場料は1000円(全席自由)。
この催しは、バッハが後半生を過ごしたドイツ・ライプツィヒで毎年開催されている「ライプツィヒ・バッハ音楽祭」のように、毎回テーマを設定し、バッハ研究者の講演会とコンサートで構成。コンサートは、客席にいる人も演奏に加わる「参加型」で行われている。
今回の講師はライプツィヒ・バッハ資料財団上級研究員のクリスティーネ・ブランケンさんで、演題は「『バッハ作品番号の秘密』~拡張新版BWV3」。彼女は、バッハのBWV(作品番号)を管理監督している部署のリーダー。研究の進捗(しんちょく)によって常に書き換えが必要なBWVの初版は、バッハの没後200年の1950年に出版。2版は1990年、そして3版は2022年に出版された。そこで「何が新しくなり、古いバージョンと何が違うのか」「バッハ作品の演奏にとって何が重要か」「なぜ21世紀になってもバッハの研究が必要なのか」「いまだに知られていないことは何か」等の疑問に答えてもらう。
講演後は、ブランケンさん(オルガン)も交えた「参加体験型コンサート」。合唱曲3曲と「平均律クラヴィーア曲集」中の1曲を、フルート、トランペット、バイオリン、チェロなどで演奏。聴講者は、合唱や小楽器で演奏に参加できる。
橋本代表は「作品番号について基礎から説明してもらうよう依頼しており、分かりやすくバッハの基本を学んでもらえると思う。有名なメヌエット・ト長調とト短調は、(バッハが妻のために編さんした)アンナ・マグダレーナ小曲集に入っているためバッハの作品だと信じられてきたが、研究者たちによって隣町のオルガニストであるクリスティアン・ペツォールトの作品だとわかった。バッハ作品の最新の研究成果を反映したBWV3について、興味深い話が聞けると思う」と、来場を呼びかけている。
「やわらかなバッハの会(ソフトバッハ・ソサエティー)は、2013年に創立。相対音感による鍵盤楽器教授法「イコール式」を用い、固定観念にとらわれず、初級者でもバッハのフーガを楽しむ方法などを提案。「バッハ礼讃音楽祭」以外にも、毎月第2日曜日にJR新山口駅で「マンスリーバッハ」と題した演奏会を開いている。