表紙に切り絵で描かれているのは、大きなおなかのくろねこかあさん。もうすぐ赤ちゃんが生まれるのです。
生まれてきたのは、しろねこ三匹とくろねこ三匹。くろねこは、かあさんのおなかから切りぬかれた形で誕生。しろねこは、切りぬかれたあとのシルエットで表されています。
のんびり屋で甘えんぼうのしろねこと、ちょっとやんちゃなくろねこ。六匹は、くろねこかあさんのおっぱいを飲み、一緒にお出かけをし、つめとぎの仕方やすずめのとり方を教わりながら、すくすくと成長していきます。
子ねこたちのちょっと間のびした動きのくり返しが、ゆるやかな四拍子による文章とユーモラスな切り絵によって続いていきます。そして、
「くろねこかあさん やさしいかあさん しろねこさんびき すくすくそだつ くろねこさんびきすくすくそだつ」
でおはなしはおしまい。
小さい子どもたちとゆったりした気持ちで読める絵本です。一緒に声に出して読んでみるのも楽しいですよ。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)
福音館書店
作:東 君平