この本には、乗り物、動物、人、建物、道具などを、簡単な形を組み合わせるだけで描く方法が紹介してあります。その数全部で約四百種!
たとえば、長方形、三角形二つ、T字を三つ、丸を二つで乗用車のできあがり。それに黒丸を一つ加えると運転手の乗った車になり、後ろに赤丸をつけることでブレーキをかけた状態をあらわせます。
横長長方形の下の二つの頂点にそれぞれ“<”の形を添え、上の頂点の一つに丸、もう一つに曲線をつければ、ねこの基本型。それにしま模様を加えればトラになるし、水玉模様にすればひょう、たてがみをつければライオンにもなります。
描いたものを組み合わせて、漫画、ポスター、カードなどを作ってみるのもおもしろいのではないでしょうか。
作者は九歳の時、いろいろな形を組み合わせてものを描く方法を思いつき、それをもとにこの本を作ったそうです。
「絵をかく喜びを知り、達成感を味わえば、さらにいろんな絵がかきたくなるはずです」―皆さんも気軽な気持ちでためしてみませんか。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)
偕成社
作:エド・エンバリー
日本版文字:横山直子