「あらわれでたのは、くろマントに、くろい ぼうしの さんにんぐみ。それはそれは こわーい どろぼうさまの おでかけだ。」
三人は夜ごと獲物を探しに出かけ、山の隠れ家には奪った金銀財宝がいっぱい。
ある夜、いつものように馬車を襲いはしたものの、中で見つけたのはみなし子のティファニーちゃんだけ。仕方なく宝のかわりにその子を連れて帰ることに。隠れ家で宝の山を目にしたティファニーちゃんは三人に尋ねました。「これ、どうするの?」
使い道など考えたこともなかった三人は頭を寄せ合い相談。そしてすばらしいことを思いついたのです。それは……?
明度をおさえた青を基調とした大胆な構図の絵が印象に残る作品です。
山口県立山口図書館には出版経緯の異なる洋書版が二冊あり、日本語版もあわせた三冊をくらべてみると、絵が描きかえられていることがわかります。作者がどんなことにこだわって絵を描きかえていったのか、くらべながら読んでみるのもおもしろいですよ。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)
偕成社
作:トミー=アンゲラー
訳:いまえ よしとも