みなさんはもう新米を食べましたか。金色に輝く稲穂が風にたなびく姿は日本の秋の原風景ですが、稲作文化は弥生時代に朝鮮半島から日本列島に伝わりました。山口県内にもそのことを示す道具が多く見つかっています。
写真は「石庖丁」といわれる道具で、磨いて仕上げられており、下側の円弧部分には刃がつけられています。この石器は稲などの穀物の穂をつみ取る道具で現在の庖丁のように使ったのではなく、中央に開けられた二つの穴に紐を通して、そこに指を入れて使っていました。
山口県立山口博物館では山口大学埋蔵文化財資料館と共催で、標記のテーマ展を開催します。本展では、山口県における稲作文化の伝播をたどり、山口県域の食生活の変化、弥生文化と縄文文化の融合やその複合性に焦点をあてて県内の資料を中心に展示します。会期は2019年11月26日から2020年1月13日までです。この機会にぜひ御覧ください。
山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大