頂上に松の木がそびえる「鰐石の重岩」。大内時代に名勝と詠まれた地にたたずみ、今も住民らに親しまれている。
かつては川の中に下の岩が半ば浸かり、ワニが口を開けているように見えることから鰐石の重岩の名がつけられたと伝わるが、いつからこの地にあるのかは定かではない。
大内時代には中国の詩人・趙秩の漢詩「山口十境詩」にも詠まれた名勝で、今も戎岩講が執り行われるなど地域に親しまれている。
頂上に根を張った「巌上松」は、明治年間に松の実を岩の裂け目にまいて植えられたものともいわれる。1983(昭和58)年に何者かにより枝をすべて折られてしまったと当時のサンデー山口に記事が残るが、現在は往時の姿を取り戻している。