第72回「山口県美術展覧会」で297点の応募の中から大賞に選ばれた。出展作品「椹野川沿いのイノシシの行進」は、コメ袋を使ったふすま絵仕立てのキャンバスに、イノシシの親子がアクリル絵の具で描かれている。ふすまの前には4枚の畳が敷かれ、碁盤などが配置。対局者不在の空間に碁石がまかれている。「ビッグバーンを表現した」というインスタレーションアートだ。
モチーフを探しに自転車で自宅から小郡まで行くこともしばしば。「日本人にとっては長く日常にあり、見過ごしてしまいそうなものを、日本的ととらえて表現する」という。墨汁などを使ってモノトーンを基調としながらも、どこかに入る明るい差し色が、日伊融合をうかがわせる。
9月には、妻の粉川妙さんと、古民家でイタリアンレストランを開く計画もあるという。
【プロフィル】1960(昭和35)年イタリア生まれの58歳。11年前、食の勉強のため渡伊した妻・粉川妙さんと結婚。2016(平成28)年9月、粉川さんの市地域おこし協力隊就任に伴いイタリアのスポレートから大殿へ移住。「日伊協会ヨヴェスト山口」の立ち上げ人。