私は、様々な場所でいろんな人と出会う。深い付き合いもあれば、数時間、いや、瞬間のこともある。
食事をする時、きれいな食べ方をする人がいる。例えば、食べにくいものは器を引き寄せしっかりと箸で掴む。身体はほんの少し前屈みであるが、曲がってはいない。私は、器を自分に引き寄せるのではなく身体を前屈みにして首を突きだし口を器に持っていく。美しい人を見て習う。練習する。
会話でもそうだ。にこやかに絶妙な相槌で聞いてくれる人がいる。その人といると心地良いのでしゃべり過ぎてしまうが、思いが伝わり自分の存在を認められたという満足感がある。私は、ついつい相手の会話の途中に口を挟み話の腰を折ってしまうことがある。それで話が横道に逸れ、相手の言いたかったことが伝わらなくなってしまう。じっと、見て習う。
通りですれ違う瞬間、センスの良い人がいたら、素早く目で習う。お礼の仕方。これは難しい。物事にもよるが、何かをしてもらった時、品物を貰った時、助けてもらった時等々。その嬉しさや感動をお礼として伝えることは難しい。感謝の気持ちや喜びの気持ち、尊敬の心を伝えるのは至難の業。それを品良く程良く伝えられる人がいる。私は、うーんと唸ってしまう。習う。習うことが多くて身につくか? 習い続ける。