山口市大殿在住の岡田勝栄さん(74)が、このほど「『拾塵和歌集』事始」(文芸社、文庫判443ページ、税別900円)を出版した。明屋書店MEGA大内店で購入できる。
応仁・文明の乱(1467-1477年)での西軍の勇将で、その一方で芸術文化に造詣が深く、山口に雪舟や宗祇を招くなどした大内氏14代当主・大内政弘(1446-1495年)。その政弘が、自作の20000首の和歌の中から歌達者に1500首を選ばせ、さらに自身が1126首に絞り込んだのが自歌集「拾塵和歌集」だ。
岡田さんは自書について「ここでは、私の心に響いた200首ばかりの歌を紹介してみたい。政弘公の心は、今も歌の中に生き生きと躍動しており、500余年の時を超えて私の心に働きかけてくる。(中略)大内文化の真髄が、政弘公自身の言葉で詠われ、『言霊』のごとくに伝わってくる。そして色々な想いを生じ、調べずにはおれなくなった。その随想録・調査録が本書である」と説明する。さらに、11代当主の大内盛見による「大内盛見詠草」も、「拾塵和歌集のより深い理解のために必要」とし、50首を紹介した。
岡田さんは、山口市立大殿小・中、山口県立山口高、山口県立山口大卒。大阪での会社勤め後Uターンし、防長新聞社に入社。同社倒産後、1978年にサンデー山口の「立ち上げ」に参加し、2004年に定年退職するまで、企画部長や編集長を歴任した。本社退職後は、「大殿ホタルを守る会」の事務局長として一の坂川周辺のゲンジボタルの保護・育成など、さまざまな地域活動に尽力している。