2004(平成16)年10月2日、山口市菜香亭が現在の地(山口市天花1)に移築・開館した。料亭だった菜香亭は、1877(明治10)年に毛利藩の料理担当だった斎藤幸兵衛が上堅小路に開業。1996(平成8)年に120年にわたるのれんを下ろしたが、保存・活用を求める市民団体「菜香亭・十朋亭をチョッと素敵に甦らせる会」による署名運動や清掃活動が実を結んだのだ。本紙では、約3カ月後の開館に先立ち、「床の間から48畳、48畳、28畳と3つの広間で構成される巨大空間は、現在の建築基準に合うよう、一部に鉄骨の柱が入れられたもののかつての姿を取り戻した。以前と変わった主な点は、天井を一部ガラス張りにしていて建築構造を見せていること」と、まだ一般公開されていない建物内部を6月23日付で紹介した。
また、風速50.5メートルという当時観測史上2番目の強風を記録した台風18号が、9月7日に山口県内を直撃。9月10日付で「中園町の山口情報芸術センターは、波形の金属屋根がはぎ取られ、中央公園側に落下した」、10月20日付で「台風被害に対する『り災証明書』の発行は、10月12日の時点で約1350件」など、深い爪あとを残した状況を伝えた。
一方では、韓国ドラマ「冬のソナタ」で火が付いた「韓流」ブームの波が市内にも押し寄せた。9月11日付で「市内住宅街の主婦たちの間では、“会えば韓国スター”の話題が定番に」なり、中心商店街の雑貨店では「ペ・ヨンジュンのマフラーやメガネ、チェ・ジウのポラリスネックレスなど登場人物が身に着けた物の複製は飛ぶような売れ行き」だったことなど、時流に乗る山口市内の様子を伝えた。