庭のフジバカマの薄紅色の花が、萎びれてきた気がする。頭の冠のような白い毛も少なくなってきた。なのに、この花を好むという蝶、アサギマダラはまだこない。フジバカマを五本しか植えてないから、花が少ないから、空から見えないのかな?
岩国市の山間に百匹以上のアサギマダラの大群が飛来した映像を十月七日、テレビで見た。休耕田に見事に咲くフジバカマ。上を飛ぶ大形の蝶。前翅の真ん中は白に近い灰色で周囲は黒。後翅は茶色。花の上で蜜を吸い羽を休める。フジバカマの蜜には毒があり、それをアサギマダラは体内に取り込むことで毒を蓄積する。ムカデやカマキリ、鳥等の天敵から身を守っている。隈取っているような翅は、毒があることを皆に知らせているのだ。アサギマダラは、春に日本列島を北上(信州辺りか?)し産卵する。秋には、南下(遠くは台湾辺りまで)する。二千キロ以上飛ぶ。そんな力強い蝶にあやかりたいとフジバカマを昨年植えた。
例年、フジバカマとアサギマダラの写真を送ってくる周防大島の友人に「まだアサギマダラが来ないんだけど」と電話した。「こちらにもまだ来とらんよ。台風やらで遅くなってるんじゃないかね」という返事。アサギマダラよ、今何処? 我が家の蜜は甘いぞ。毒も沢山あるわよ。