大内氷上の山根観音堂裏に茂るクスノキに、大木の南側を深くえぐって彫られている地蔵菩薩は、木喰上人の作と言われている。
江戸時代末期に日本全国をくまなく歩き、「微笑仏」と呼ばれる仏像を多く残した木喰五行上人(1718~1810)。1797(寛政9)年から1799年(寛政11)にかけての80歳前後、長門・周防の地を巡った足跡が、当時の「御宿帳」などに記録されている。
山口市大内氷上にある山根観音堂の裏に茂る高さ約20メートルのクスノキの生木に彫られた地蔵菩薩の立像も、その作風や足跡から木喰作とされている。
生誕300年を迎えた2018年、生まれ故郷の山梨県では「木喰展」などが開催された。