JR宮野駅近くにある「桜圃寺内文庫」は、明治時代に首相などを歴任した寺内正毅によってその基礎が作られた。直線を組み合わせたデザインの大正建築らしい建物で、1957年からは山口女子短期大学(現山口県立大学)の所管となったが、現在は建物の老朽化が進み、“廃屋”と化している。山口市出身の建築家・藤本春紀さんから、同文庫の今後に関する投書が届いたので紹介する。
宮野桜畠、山口県道204号線の「宮野駅前」バス停傍らに、古い建物と一基の顕彰碑があります。山口市出身の陸軍元帥であり、総理大臣も歴任した寺内正毅の遺構です。
建物は、1922年2月、寺内正毅の蔵書、収集図書などを収めた「寺内文庫」と称されるもので、長男の寺内寿一がその遺志を継ぎ、建造、開庫したものです。また、顕彰碑は閑院宮載仁親王の筆で「至誠報国」の篆額が刻まれ、41年2月に建てられたものです。
宮野地区では、この建物の解体と保存という相反する提唱がなされていますが、今、建築関係者、地元の人たち、大学関係者など、歴史的、文化的関心を持つ人達から、保存・再生・活用の道を探る行動が起こってきています。
この保存・再生・活用の動きが山口の新しい時代を拓くひとつの基点となるよう、皆様のお知恵を募りたいと思っています。ご賛同いただける方は藤本(TEL090-8162-8696)または厚東一生(TEL080-5705-3849)までご連絡ください。