(7月17日付・松前了嗣さん寄稿の続き)
錦絵
東征軍と彰義隊との戦いの様子を描いた錦絵が、現在も数多く残されている。
「本能寺合戦之図(さくら坊芳盛画・明治2年)」「東台大戦争図(永島芳虎・永島孟斎画・明治7年)」「春永本能寺合戦(英斎画・明治元年)」「東叡山戦争之図(歌川豊国画・明治元年頃)」「東台戦争落去之図(惺々暁斎画・明治7年)」「皐月晴上野朝風(香朝楼画・明治23年)」「東叡山文殊楼焼討之図(大蘇芳年・高斎年充画・明治7年)」「四十七士姓氏録(月岡芳年画・明治元年)」「地獄の大嵐(芳年画・明治元年)」「上野大合戦中堂之場(香朝楼画・明治23年)」などである。
黒門を突破し、その奥にある弁柄塗りの吉祥閣に迫ろうとする洋装姿の東征軍の兵士たち。槍や刀で必死に防御する和装姿の彰義隊士たち。
門前に置かれた防弾用の畳や俵。
弾丸が飛び交う中、荷物を抱えて必死で逃げ惑う人々。
子どもを抱きかかえて泣きわめく女性の姿。
伽藍に立ち上る煙、そして炎。
降りしきる雨の中での、すさまじい白兵戦の様子などが描かれている。
(続く。次回は7月31日付に掲載します)