「そーれ」「まーだ」のかけ声と「コンチキチン」の優雅な音色―。山口の夏の風物詩、山口祇園祭の露払いを務める祇園囃子の練習が、5月28日に大殿地域で始まった。
1459(長禄3)年、大内教弘の時代に伝えられたとされる山口祇園祭は、江戸時代初期には15の山と四つの鉾が街を練り歩いていたが、次第に規模が縮小した。一時は途絶えた山鉾・囃子が菊水鉾とともに80年ぶりに復活したのは1990年で、今年で30年目を迎える。太鼓、笛、鉦の三つの楽器を使い、「日和神楽」「立田」「月」の3曲を奏で、祭りに華を添える。
この日練習に参加したのは、小学6年生から社会人まで21人の「祇園囃子伝承者」。それぞれが担当する楽器でテンポや強弱を確認しながら、音を合わせていった。
伝承者代表の真庭宗雄さん(古熊神社宮司)は「令和最初の山口の夏をにぎやかにできるよう、しっかり練習し、祭りを盛り上げ祇園囃子を守り伝えていければ」と話す。
メンバーは、これから週1回の練習を重ね、祭り初日、7月20日(土)の御神幸祭で演奏を披露する。