2019年4月の働き方改革関連法施行まであと1カ月。中小企業への導入が先送りされる内容もあるが、有給休暇(有給)の取得義務については待ったなし。だが、少人数で業務を回している中小企業にとって、その負担は重い。そこで山口商工会議所(河野康志会頭)は、会員企業への聞き取り調査を、昨年11月から12月にかけて実施した。回答 したのは、正社員数「10人以下」が48社(44.0%)、「11人以上20人以下」が23社(21.1%)、「21人以上30人以下」が8社(7.3%)、「31人以上」が30社(27.5%)の計109社。
まず「現在の有給取得率」を聞くと、「51%以上」「1~10%」がともに25社(22.9%)で最多。「0%」の16社(14.7%)が次に多く、以下「21~30%」の15社(13.8%)、「11~20%」の13社(11.9%)、「31~40%」の11社(10.1%)と続いている。
次に「有給取得率向上のための取り組み」は、「特に何もしていない」が18社(16.5%)、「取得説明と奨励」が16社(14.7%)。それ以外の回答は一桁だった。
また「有給取得に向けた課題」は、「業務が多く人手が不足している」が、59社(54.1%)と過半数を占めている。
同商議所は、寄せられた意見・要望を踏まえ「すべての業種を通じて深刻な人手不足となっている。労働市場を活性化させて欲しいとの要望が強い」「(世帯の実質収入が減ってしまう)パート社員の『年収103万円の壁』が、人手不足に拍車をかけている」との見方を示した。