『人類が生まれるための12の偶然』という中学生向けの本を読んでいた。地球が誕生した時から現代までの命の旅を易しく説明してある本。といっても私にはなかなか難しい。40億年前に生命が誕生し、35億年前に原核生物出現。21億年前に真核生物が現れる。約10億年前に多細胞生物出現。
その頁をぼんやり眺めていたら、ミドリムシの分裂の絵があった。
一つの萎んだゴム風船のようなミドリムシが二つに分裂している。頭(?)の上のベン毛もちゃんと二つに分かれる。葉緑体もミトコンドリアも分離する。同じものが二つできる。そっくり同じなのだ。ここにいわゆる死はない。形質も遺伝も同じものが生き続ける。
南極にも北極にも花の都パリにも私がいる。ふらりふらり分裂を繰り返し地球の上を漂う。「こんにちは、あら、あなた、何度目の分裂の私なの」なんて会話もいいなあ。
有性生殖には生殖細胞がいる。雄と雌が出会わないといけない。人間なら恋が芽生え愛が生まれる。子は両方の遺伝子を半分ずつ受けつぐので親と違ったものができる。多様性は生き抜く力。夫々は唯一で私は一人しかいない。あなたも一人だけ。
今日は気持ち良い晴天。なんか分裂できそうな気がする。昼から分裂の練習をしようかな。