早朝五時半、新聞を取りに外に出た。我が家の前に交差点があり、早くから車が行き交っている。赤信号で止まったトラックの荷台に赤、青、黄色の電飾がまだ明けやらぬ空を背景に、賑やかに輝いていた。うわー、きれい、しばらく見ていた。タイヤ近くの電飾は点滅までする。青信号で動きだすと、光の線が薄暗い道路の上に流れた。
先日、友人を新山口駅から見送った時に見た、あの夜の新幹線の光の筋を思い出させた。夜の見送りは、哀しさが付きまとう。そう思うのは、演歌の影響かもしれないなあ。演歌では、最終列車といえば別れがつきものだ。
新山口駅発の最終の上り新幹線は、22時38分、こだま。終着は福山。福山着23時57分。福山駅は閑散としているだろうか。降り立ったのは、恋人と別れて来たばかりの男(女)だろうか。出張で来たサラリーマンかもしれない。家路を急ぐ母親だろうか。想像が膨らむ。
あの華やかなトラックはどこに行くのか。我が家の前の交差点は七時過ぎから混みあう。大半は県庁に行く車だ。県民一、三六五、九二六人(平成三十一年一月一日現在)を束ねる使命がある。いかねばならぬ県庁へ。遅刻してはならない。朝の交差点は殺気立っている。
回覧板は午後、ゆっくり交差点を渡って山見さん宅へ持っていく。