地域づくり活動をはじめ、地域での生涯学習活動等が盛んな小郡地域交流センター。昨年4月から建設が進められていた新センターの建物がこのほど完成し、5月27日(月)に供用開始となる。
小郡地域交流センターは、山口市内では最も古い1973年に建設された。同施設(旧小郡町公民館)の老朽化に伴い、2011年に小郡地域づくり協議会が建て替えについての要望書を山口市に提出。2016年に同センター建設委員会が開設され、昨年4月から新築建て替え工事が進められていた。
新センターは、小郡総合支所敷地内に、総合支所庁舎に隣接する形で建設。構造は鉄筋コンクリート造2階建てで、延べ床面積は2022.82平方メートル。会議室、創作室、調理室、和室などの生涯学習機能をはじめ、団体事務室などの地域づくり機能、シャワー室等の防災拠点としての機能を備えている。また、授乳室や多目的トイレなど、ユニバーサルデザインにも配慮した施設となっている。耐震化とバリアフリー化にも対応し、エレベーターも1基設置。1階のエントランスホールはフリースペースとして開放される。
同センター建設委員会委員長を務めた井上素彦さんは「基本的な機能は残しつつも、老若男女を問わず使いやすい、交流を生む空間となるよう、建設委員会で議論を重ねてきました。豪華さや娯楽を求めるのではなく、地域のコミュニケーションを育む集いの場となってほしいという思いが込められています」と話している。
なお、旧センターは今年7月から12月にかけて解体工事が進められ、跡地には駐車場が整備される。2020年度完了予定で、センター建設・解体・整備の総事業費は約10億5190万円。
小郡地域交流センターの完成を祝して 山口市長 渡辺 純忠
この度、小郡地域の住民の皆様が長年待ち望んでおられた、新しい小郡地域交流センターが完成の運びとなりました。建設に際しては、利用団体の皆様、地域の皆様など、本当に多くの皆様の御理解と御協力を賜りましたことに、心から感謝とお礼を申し上げます。
この小郡地域交流センターは、「生涯学習・社会教育活動」や「地域づくり」、災害時における避難所としての「地域防災」の各拠点と位置づけ、整備をした施設でございまして、ユニバーサルデザインにも十分配慮しております。
また、小郡地域においては、昨年度策定しました「小郡地域ふるさとにぎわい計画(小郡がつながる・つなげるプロジェクト)」に基づき、新山口駅を中心とした一帯を活用して多様な交流を図る取り組みを進めることで、地域経済の活性化とともに郷土への誇りや愛着を育むことにつなげ、本地域における定住人口の維持を目指すこととしております。
こうした取り組みを通じて、人と人がつながり、皆様の地域づくり活動の輪が広がることが、小郡地域の魅力を一層高めることへとつながっていきます。
平成の時代から令和へと新たな元号のもと、この新しい小郡地域交流センターが地域の皆様に愛され、「あらゆる世代が、将来にわたって安心して住み続けることができるコミュニティー実現の場」となり、更なる地域の活性化につながりますことを期待しております。
小郡町公民館から小郡地域交流センターへ これまでの歩み
小郡町公民館は1952年10月1日、町公館(津市上、木造3階建て)の一室を改造して設置された。「青少年の育成」に重点を置いた活動を展開し、1955年には本格的な公民館が新築落成(現・大学予備校)。1954・1955年度は山口県の実験公民館にも指定された。
1956年5月、小郡町子供会連絡協議会が内閣総理大臣表彰を受けた。また、同10月にはラジオ体操優良団体としてNHK・郵政省から表彰された。11月には準優良公民館として、1957年と1975年には優良公民館として文部大臣表彰を受賞。
1973年5月、現在地(旧施設)に新築移転。生涯学習や地域づくり、ふるさと運動の推進など活動の幅も広がった。2005年10月、1市4町合併に伴い、小郡地域交流センターに名称が変更された。
6月2日 新・旧センターで記念イベント開催! もちまき、ふるまい横丁、館内見学など 「ありがとう、小郡公民館。よぅ頑張っちゃったねぇ~」
6月2日(日)午前10時から、落成記念式典が新センター大ホールで開催。渡辺純忠山口市長の式辞、工事経過報告に加え、小郡婦人会(井上美代子会長)が寄贈した大ホールの緞帳のお披露目がされる。大きさは縦3・8メートル、横9メートルで、えんじ色に金色の一本線が上部に入ったデザイン。同会には感謝状も贈呈される。
式典終了後、10時40分からふしの岩戸太鼓の演奏が披露される。その勇壮な響きを合図に、旧センターの「お別れイベント」と新センターの「完成記念イベント」が幕開けとなる。
記念イベントは、新・旧センターでそれぞれ午前11時から午後2時まで開催される。
旧センターでは、築46年で役目を終えた建物への労いと在りし日の思い出を振り返る意味を込めたイベント「ありがとう、小郡公民館。よぅ頑張っちゃったねぇ~」が開催される。サロンでのガールスカウトによるカフェをはじめ、旧センター内部壁面への寄せ書き・落書きやバルーンアート体験が楽しめる。センター利用者団体の活動を紹介する展示もある。さらに講堂では、午前11時半からステージ発表が開催。出演は、筝曲筑紫すみれ会、吟明会新生詩吟、さなえ民謡会、小郡民踊教室、茜屋出雲流松美峰会、維新伝心、小郡ユーモアクラブで、旧センターでの最後の舞台を華やかに飾る。
「〝元気〟発信!! 小郡地域交流センター」
一方の新センターでは、「これからの交流センターのあり方・未来を創造するようなイベント」が開催。「“元気”発信!! 小郡地域交流センター」と題され、正面の広場でのもちまき(午前11時からと午後2時からの2回)や、おむすび、ご当地メニューの山頭火鍋、綿菓子、ポン菓子、ポップコーン、かき氷などが無料でふるまわれる「ふるまい横丁」の出店などがある。
なお、午前11時から午後2時までは、新センター内を自由に見学できる。
期間限定 小郡中美術部がデザイン 旧センター前に小郡モチーフの壁画
旧センター建物の前面の壁2面に、オゴオリザクラやSLやまぐち号、ご当地キャラの「おごりん」「サルビくん」、菜の花のキャラクターなどが生き生きと描かれた壁画がこのほど完成した。同センターから依頼を受けた小郡中美術部生徒らが4月末から制作を進めていたもので、サイズはそれぞれ縦3メートル、横8メートル。モチーフは部員38人全員で小郡地域ゆかりのものを考え、1日10~15人ずつ1時間半程度作業した。
伊藤芳典顧問は「今後このまちを作っていく世代のこの子たちに参加させてもらえて良かった。地元でのこうした経験は子どもたちの中に何かが残る」と話し、石田羽菜部長は「センターには幼いころからお世話になっているので、地域に貢献できるのがとてもうれしかった。デザインは1日で作ったが、バランスよく配置するのが難しかった」と振り返った。
壁画は6月下旬まで鑑賞できる。その後はシートに覆われ、旧センターとともに解体作業が始まる。