「建築省エネ機構」による「第8回サステナブル住宅賞」の最高賞となる国土交通大臣賞を、2019年1月「阿知須・木と土の家」が受賞した。「サステナブル住宅」とは、伝統的住文化を継承しつつ、環境負荷低減対策を施した住宅を指す。
設計・施工したのは、設計者、施工者、研究者など13人で構成する「山口民家作事組」。1999年に県建築士会民家再生研究会として発足し、今年で20年目を迎える。
「阿知須・木と土の家」は、海岸から1キロ程の距離に位置する平屋住宅。構造材に熊本スギ、仕上材に山口スギを用い、渡りあご、雇いほぞなど大工職人がすべて手加工で完成させた。そして、地域で培われてきた土壁住宅の良さを生かしながら、断熱性能を補う工法を開発・採用。土壁は、県内産の竹木舞と壁土を県内職人が築造した。また、断熱・通風・日射遮断の機能を持つ新開発の「木製断熱ルーバー雨戸」も設置しており、操作性や耐久性を評価中だ。
「この受賞をきっかけに、優れた特長を持つ『木と土の家』を、県内でもっと普及させたい。興味のある方は、ウェブサイトからご連絡を」と、同会の水沼信さん。
彼らの取り組みは、6月11日発売の住宅雑誌「チルチンびと」(風土社)100号でも、8ページにわたって紹介されている。