山口市の貴重な文化遺産で、観光スポットでもある常栄寺雪舟庭を「後世に残そう」と活動している「雪舟の庭を守る会」(末永汎本会長)は、同会への入会を呼び掛けている。
雪舟庭の入場料収入は、1992(平成4)年ごろには年間約8000万円だったが、最近では1500万円ほどにまで落ち込んでいる。その一方で、同庭を含む常栄寺の維持管理・運営には毎年3000万円以上の経費が必要で、国・県・市からの補助も十分ではなく、赤字続きだ。もともと大内氏の私寺だった同寺には、檀家もほとんどいない。これまでは「良かった時代」の内部留保で運営できているが、このままでは早晩底をついてしまう。
同会は、その状況を改善させようと2015(平成27)年7月に発足。2018(平成30)年末時点での会員数は97法人・238人で、これまでに会費から計400万円を寄付した。だが、現会員の大半は3月末に更新期を迎える。そのため同会は、現会員には更新を、非会員には入会を呼び掛けている。
会費は、法人が一口1万円で、個人が5000円。5000円ごとに1枚の会員証がもらえ、持参者は期間中何回でも、無料で同庭を拝観できる(通常は1回300円)。さらに、歴史講演会、本山である京都・東福寺への拝観旅行など、会員向け企画も実施。今年秋には、同寺での落語会が予定されている。会員証の有効期限は、入会日の翌年度末まで(今年入会すれば21年3月まで)。問い合わせは、事務局の同寺(TEL083-922-2272)へ。