奥本町、花見、六地蔵、此花区伝法、医生ケ丘、竜王町、並木路、百道等々。これ等は賀状の中の面白い住所です。
奥本町って旧家の奥座敷、静かで落ち着いた町のような気がする。ここには遠い親戚が住む。花見、ここは南国宮崎。美しい果樹園を持つ詩人が住んでいる。医生ケ丘には、嘘のようですが知人のお医者さんが暮らしているのです。医療関係者ばかりかしら? ならば突然の発熱や腹痛にも安心な地区ですね。医で生かしてもらえる、なんてね。並木路? 古賀メロディーが聞こえる。“泣くな妹よ 妹よ泣くな”で始まる『人生の並木路』。Uさんが住んでいるこの町は銀杏並木。遊びに行った時は秋で美しい金色に染まっていた。“生きて行こうよ 希望に燃えて”そんな並木路でした。
市内荒高町在住の先輩Eさんから猪親子勢揃いの賀状が届いた。
『荒高町・これをアラタカというようになったのは、いつ頃からか明らかでないが、語源はアラタ・カで、アラタとは新田(アラタ)か荒田(アレタ・アラタ)で、カは単に接尾語か、または「処」とも考えられる。地形的にはこの付近は一の坂川が曲流する西側に位置していることから「荒れた・所」かも知れない』。(山口市町名覚え書・高橋文雄著)
古くからの地名には長い物語がある。想像力をかきたてる。