レノファ山口FCの2018(平成30)年シーズンは、16勝13分13敗、勝ち点も過去最高の61に伸ばし、8位というJ2参入以来初の一けた順位で幕を閉じた。この部では、J1昇格を見据えて成長を続けるチームの昨季の戦績と今後の展望、応援企業の熱い思いや応援グッズ紹介などを4ページにわたってお届け。まずは霜田正浩監督の掲げる「攻撃サッカー」を貫いて躍進した3年目のJ2シーズンを、10試合ごとに振り返ってみよう。
1-10節(2月25日~4月22日)
開幕戦(ロアッソ熊本戦)は、前半2分に#19オナイウ阿道選手が豪快なシュートで先制。下位に沈んだ2017年シーズンを巻き返すように、各選手が圧巻のプレーで霜田監督の初陣を飾った。勢いは止まらず、そのまま3連勝。1敗後のホーム2連戦は執念で引き分け、第7節(モンテディオ山形戦)と第8節(大宮アルディージャ戦)でも2連勝など、6勝2分2敗の好発進を切った。
11-20節(4月28日~6月23日)
第11節(アルビレックス新潟戦)は終了間際に勝ち越され、ホーム戦初黒星を喫したが、そこから粘り強さを発揮。第14節(東京ヴェルディ戦)では途中出場の#7大﨑淳矢選手と#9岸田和人選手が活力を呼び込み、2点差をひっくり返す逆転勝利を達成。初代監督宮成隆さんの命日(6月9日)に当たる第18節(ファジアーノ岡山戦)、第19節(徳島ヴォルティス戦)も連勝し、ついに再び首位の座へ。
21-30節(7月1日~8月26日)
前半戦を勝ち点39の2位で折り返したものの、対戦2巡目となり相手チームのマークが激化。小野瀬康介選手のJ1ガンバ大阪への移籍、主力選手の負傷なども重なり、懸命に構成の再構築を図るも勝ち星の遠い日々が続いた。
※第26節は台風12号の影響で10月17日に延期
31-42節(9月1日~11月17日)
第35節(横浜FC戦)、守備の要に抜擢されたルーキー#13楠本卓海選手が15試合ぶりの勝利を呼ぶ原動力となった。第36節(FC岐阜戦)はオナイウ阿道選手の20点目を挙げる活躍などで快勝。順位も10位に浮上した。第41節(ヴァンフォーレ甲府戦)は一進一退の攻防の末に破れ、ホーム最終戦は黒星となったが、第42節(アルビレックス新潟戦)は2対0の完勝を果たし、有終の美を飾った。
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リーグ2位の得点22を挙げたオナイウ阿道選手をはじめ、出場機会をつかんで多くの選手が試合経験を積み、才能を発揮した昨シーズン。 今季2年目となる“霜田レノファ”のさらなる飛躍に期待したい。
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悔しさをバネに―目指すはJ1!
「感動できる試合を」 霜田監督に聞く
8位というJ2参入以来の好成績を収めたレノファ山口。昨季から指揮を執り、今季も続投が決まった霜田正浩監督に、就任1年目の振り返りと課題や、今季の目標について聞いた。
―昨季を振り返って。
霜田 はっきりと数字で出た8位という結果は、満足な部分もあるが正直「悔しい」。J1に昇格した松本山雅FCや大分トリニータと遜色ない戦いができていたが、小さな差があった。
―良かった点と課題は?
霜田 2017(平成29)年シーズンに比べて点が取れており、「攻撃サッカー」ができていると、大きな手ごたえを感じた。課題は失点を減らすこと。また、ボールを奪えなかった時の「次の動き」を考える力も、プレーオフ出場圏内の6位以内に入るには大切。瞬時の判断力を、もっと選手に浸透させていきたい。
―強化について。
霜田 即戦力の選手をどんどん獲得するような外部補強は、金銭面からできないので、選手一人一人のレベルを上げる「内部補強」がポイントになる。選手には、日頃から試合に出るにはどうすればいいのか、相手チームの研究や、どうプレーすれば勝てるか、など「考えろ」と伝えている。自分でいろいろ考え、チャレンジして経験を積むことで経験値は上がるし、同じ場面やプレーが少ないサッカーは、判断力の精度が大切。個の成長がチーム全体の補強につながるので、今季も引き続き「考える」ことを継続していく。
―サポーターに一言。
霜田 山形まで応援に来てくれたり、サポーターの力は本当に大きく、ありがたい。サッカーは臨場感あふれるスポーツだが、一つ上のステージに上がる時のワクワク感や高揚感は特別。一人でも多くのサポーターの皆さんにそれを味わってほしい。「勝っても負けても、感動できる情熱的なサッカー」をやりたいと思っているので、ぜひ今年もスタジアムに足を運び、体感してもらえたら。
―一つ上のステージ、というとズバリ、今季の目標は?
霜田 自動昇格圏内の1位、2位に何が何でも入りたい。そこを基準にして準備していく。僕らの“熱”を皆さんに伝えられるようなプレーで頑張るので、今季も応援、よろしくお願いします。
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