明けましておめでとうございます。すがすがしい新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、山口県民の皆様にとりまして、本年がより良い年となりますことを、心からお祈り申し上げます。
昨年の振り返り
昨年は明治改元から150年にあたり、山口県にとっても大きな節目となる年でした。明治150年プロジェクト「やまぐち未来維新」として様々な取り組みを展開しましたが、その中核イベントとして開催した「山口ゆめ花博」には目標の50万人をはるかに上回る136万人超の皆様にご来場いただき、大きな成功を収めることができました。ご支援とご協力に改めて心から感謝申し上げたいと思います。この成功を未来に残す財産とし、開催を通じて得られた成果が都市緑化の推進や新しい公園の利活用、産業や観光の振興、県民活動の促進、未来を担う人材の育成など様々な形で実を結び、新たな「県づくり」「人づくり」につながるよう取り組みたいと考えています。
その一方で、昨年は災害等への対応が求められた年でもありました。7月の西日本豪雨災害では、山口県東部を中心に大きな被害が生じ、10月には外国船の衝突で大島大橋が損傷し、1カ月以上にわたり橋の車両通行規制や周防大島町全域の断水を余儀なくされました。
山口県では、こうした災害等からの復旧・復興に向けて全力で取り組んでいます。周防大島については、深刻な影響を受けた観光や経済面の早期復興を図るため、割引宿泊券やクーポン券の発行などによる「周防大島復興支援パッケージ」を展開していますので、ぜひ、山口県民の皆様にも応援をいただきますよう、お願いいたします。
「3つの維新」
今年は新たな総合計画となる「やまぐち維新プラン」に基づく施策を本格的に展開していく年となります。
人口減少問題をはじめ、産業構造の変化に伴う地域間・国際間の競争の激化、頻発する大規模自然災害、さらには「第4次産業革命」とも言われるかつてないスピードで進む変革への対応など、本県を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。しかし、こうした中にあっても山口県には困難を跳ね返す力とチャンスがあり、必ず活力に満ちた未来を切り拓いていくことができると考えています。直面する課題に立ち向かい、将来に希望を持って暮らすことのできる山口県を創っていくため、「産業維新」「大交流維新」「生活維新」の「3つの維新」に積極果敢に挑戦していきます。
《産業維新》
新たな産業戦略の指針として策定した「やまぐち産業イノベーション戦略」に基づき、本県の産業や技術の集積などの強みを生かした重点成長分野を明確化し、産業インフラの整備・充実や、医療、環境・エネルギー、バイオ関連分野等でのイノベーションの創出、JAXA関連施設の移転を生かした宇宙ビジネスの推進、IoTなどの新しい技術を活用した新たな事業の展開などの施策展開を図っていきます。
《大交流維新》
新年度からの観光キャッチフレーズ「YAMAGUCHI MAGIC!」のもと、絶景、温泉、グルメ、歴史など本県の多彩な魅力の総合的な発信、近年増加する個人旅行者をターゲットにインバウンド需要の取り込み、先駆的な山口県内事業者を核とした農林水産物の輸出システムの構築など、観光振興や山口県産品の販売促進など人やモノの流れの拡大を図り地域を活性化していきます。
《生活維新》
「山口ゆめ花博」を契機とする山口県民活動の拡大や、健康データの見える化やビッグデータの活用などによる健康づくりシステムの構築、地域経営の視点を取り入れた持続可能な中山間地域の創造、子育て支援や医療・福祉の充実、防災対策、県民の皆様の暮らしの安心・安全の確保などの取り組みを推進します。
山口県としては、この「やまぐち維新プラン」に基づき、山口県らしい、山口県ならではの施策を構築し、県の新たな活力を創出できるよう、全力で取り組んでいきます。
県政の基盤づくり
山口県の財政は依然として厳しい状況にあります。2017(平成29)年度から5年計画として実施している行財政構造改革を必ず成し遂げ、将来にわたって持続可能な自立・安定した行財政基盤を確立できるよう、本年も徹底した行財政構造改革の取り組みを着実に進めます。
今年、天皇陛下が御退位され皇位の継承が行われます。歴史の大きな転換点を迎え、新しい時代がスタートする中、国や市町、企業や団体、そして県民の皆様と連携・協働しながら「活力みなぎる山口県」の実現に向けて邁進してまいります。ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いします。