『新しい本が出る予定があり、版元から発行明細書が届いた。その部数を見てこれは間違っているのではないかと、何度も見直した。それは文庫の初版部数の明細書だったのだが、その部数はこれまでの単行本の初版の部数だった。一般的に同じ本であれば、単行本の初版部数よりも文庫のほうが多いものだけれど、以前より一桁少なかった。私はそれを見て、そういうものかと納得した。初版が三十万部、少なくとも十万部などという時代は終わった。これから本が売れなくなる時代に突入したと、はじめて気がついたときだった』。“この先には、何がある? 群ようこ著”。
長々と引用したがこれが書かれたのは数年前。今はもっと状態は悪く、大作家でも初版何千部らしい。
友人からチラシが送られてきた。『こんな「本」見つけた! 村田喜代子の本よみ講座。ムラタさんが案内する、おもしろ読書の世界―「このごろ“本”があんまり読まれてないね」「ずいぶん沢山出てるから面白い本やいい本も本の海に呑みこまれてしまうんだよね」「じゃあ私たちでその本の海に潜って探そうか」』。
彼女達と一緒に海に潜りたい。場所は福岡市内。遠いけれど山口から福岡まで千円の高速バスがある。潜ろう!