大内氏の氏寺だった興隆寺(山口市大内氷上5)と、その境内にあった氏神・妙見社。隆盛を極めたが、今は江戸時代建造の興隆寺中興堂(釈迦堂)と妙見社、そして梵鐘が残るだけだ。
これら建物の老朽化が進んだため、2001年に有志による「修復・顕彰事業」がスタート。まず2002年に妙見社の床や柱を約640万円で、2004年に中興堂の回廊を約430万円で、2007年に中興堂の床を約320万円で修繕。さらに16年にも、中興堂の天井や壁を約430万円かけて修復した。
だが現在は、1972年に施工されたブリキ屋根の腐食が進み、どちらの建物にも雨漏りが発生している状況。銅板での修復には、妙見社が約1100万円、中興堂が700万円必要だ。
そこで、大内氏が同所で開いていた「二月会」復興を目指した「山寺コンサート」などの活動に取り組んできた鷺流狂言保存会の米本太郎さんが発起。「まずは中興堂だけでも」と、寄付を呼び掛けるクラウドファンディング「1400年もの歴史が詰まった山口県の『興隆寺』を未来へ」を立ち上げた。5月末までの目標金額は500万円。
インターネットが苦手な人は、払込用紙を利用する方法も選べる。問い合わせは米本さん(TEL090-6406-0245)へ。