青磁色の着物が良く似合う、蝋梅の訪問着に、白い唐織の帯の美貌のママと、銀座の一流のワインバーで飲む財閥の御曹司。御曹司は留学経験もあり、哲学も文學にも秀でている。いわゆる超のつくエリート。話題も豊富で、その上お金は腐るほどある…そんな本を読んでいる。
私は東京の銀座を少し歩いたことはあるが、そこで飲んだこともランチしたこともない。本などで見ている限りにおいては銀座は素敵だと思う。もちろん一流店も嫌いではない。しかし、私はそこに行けば確実に身の置き場に困る。ワインのことは全く分からない。着て行く服も見当がつかない。ファッション誌で『憧れのレストランへ憧れの服を着て』というのを見た。モデルが着ているのは幾何学模様のワンピース。私の友人もこれと同じような服を着ている。おお! 値段を見て驚いた。桁が違う。友人の服は絶対そんな値はしない。その辺の店で買ったと言った。私には、違いがわからない。
ということで身の程に合った『「貧乏」のススメ』(齋藤孝)を読む事にした。『貧乏するにも程がある』(長山靖生)にしようかな?『希望格差社会―負け組の絶望感が日本を引き裂く』(山田昌弘)。『下流志向』(内田樹)。なぜか書棚には貧乏の本がまだ数冊ある。迷うなあ。