節税対策と「お取り寄せ」感覚を兼ね備えていることから人気の続く「ふるさと納税」。同制度による寄付金が各地で文化振興や子育て支援などの財源の一部として活用されている一方で、返礼品について各自治体間の競争過熱などが近年指摘されている。
17(平29)年4月の「ふるさと納税の趣旨を踏まえ、各地方団体は、当該地方団体の住民に対し返礼品を送付しないようにすること」との総務省の通知により、山口市は3月31日(土)で山口市内在住者からの寄付に対する返礼品の送付を終了する(ただし、山口市内で開催されるイベント等のチケットは除く)。今年度中に納付が完了した寄付については、従来通り返礼品が送付される。なお、4月1日からの返礼品見直しにより、山口市の来年度予算案の「ふるさと納税」等による寄付金は7億2千万円(前年比29.3%減)の減額で計上。山口市ふるさと産業振興課(TEL083-934-2941)では、「寄付金を活用し、今後とも地域の福祉支援などの拡充に努めたい」と話している。
ふるさと納税制度は08(平20)年に開始。制度の浸透とともに利用者が増加し、山口市でもクルマエビや米などの特産品をはじめ、伝統工芸品、レノファ山口FC関連といった返礼品による地域PRを促進。15(平27)年の控除限度額引き上げや「ワンストップ特例制度」導入などでより利用しやすくなったこともあり、初年度は271件・528万2242円だった寄付件数と金額は、16(平28)年度には2万9290件・8億1613万4350円まで増えた。また、16年度は地方創生に資する新たな事業活動の応援を目的とした「山口市ふるさと創生推進事業補助金」制度が創設され、認定7事業に対して寄付型クラウドファンディングサイトを通じて307件・478万9千円(達成率95%)が寄せられた。