一月下旬には雪の降り続く日が多かったですね。雪は見ている分には好き。でも、雪の降る日は寒い。寒いとどうしても長風呂になってしまいますね。私は熱い湯が苦手なので、入る時はぬるくする。浸かっているうちにその温度では物足りなくなるので、湯を少しずつ入れながら熱くしていく。長風呂になる。その間に遊ぶ。
今凝っているのが“大波遊び”。まず、湯舟に湯を満たして膝頭を抱えて座る。湯量は膝頭の少し上程度。抱えていた手を離して膝を開く。閉じる、開く、閉じる、開く。湯が大きくうねる。小さい湯舟であるが、そこは大海。足先が遠くに見えて深い海となる。怖い。荒れた海に裸で放り出されていると思うと、ああ、怖い。足の指を動かすと水圧で潰された異様な姿の深海魚にも見えてきて、すーと身体が冷える。ああ、怖い。
もっと、もっと、大波を立てよう。船が遭難するような波頭が白く襲いかかるような大波を。ここは魔のバミューダ海峡だ。
風呂の側面に打ち付けるように大きく膝を開いて、湯を誘い込み、腿で挟んで勢いよく閉じる。大波が立つ。もっと、高く。どこかに襲える船はいないか。石鹸箱を浮かせて沈没させる。もっと高く高く!
よって雪の日は、長風呂でのぼせてしまう。