例年になく積雪の多い厳しい冬でしたが、ようやく日差しが暖かくなり、道端や野山の植物が芽吹き、花も咲くようになりました。
日本を代表するカルスト台地の秋吉台では、この時期に貴重な「オキナグサ」の花が見られるようになります。このオキナグサは「翁草」という漢字からもわかるように、果実の白い毛がおじいさんのヒゲのように見える不思議な植物です。
また、花もおもしろく、花びらに見える赤い部分は「萼(がく)」です。このように萼が花びらのように見える花は身近なアジサイなどでもみられます。
博物館では、オキナグサを含むジオラマ展の他に、山口県内や博物館周辺で「おもしろいなぁ」と感じた植物を「なっとくんの『緑のたより』」として、写真や解説で数多く紹介しています。各地で見かけた植物(花)をジオラマや「緑のたより」でぜひ探してみてください。足元の目に見えないような小さな花や、頭の上でひそかに咲いている花をもっと見つけたくなりますよ。
山口県立山口博物館 植物担当 杉江 喜寿