山口大と山口市教委が進める史跡「周防鋳銭司跡」の第3次発掘調査で昨年、複数枚の古代銭の塊と思われる金属片が見つかった。
「周防鋳銭司」は、825(天長2)年から約200年存続した官営の鋳造所。「皇朝十二銭」のうち、8種類がここ鋳銭司で作られたとされている。
山口大と山口市教委が進めている発掘調査で昨年、鞴羽口や坩堝などコンテナ約50箱分の遺物が出土した。その中に、銭貨と思われる金属が発見。元興寺文化財研究所(奈良市)に鑑定を依頼したところ、X線写真に複数枚に重なる銭貨が写し出され、現在鑑定調査が続行されている。
過去の発掘調査を含め、解明された地点は史跡の約5%にすぎず、大いなる古代ロマンを秘めている。