山口市の貴重な文化遺産である常栄寺雪舟庭を後世に残す活動を続けている「雪舟の庭を守る会」(末永汎本会長、TEL083-922-2272)は、6月20日に山口商工会議所で2018(平成30)年度定時総会を開催した。
2017年度は、7月に春風亭正朝落語会を、11月に雪舟庭ライトアップ特別鑑賞会を実施した。2018年度は、須藤和之による日本画「風渡る常栄寺雪舟庭」を大一写真工業(山口市湯田温泉6)でデジタル版画化し、常栄寺で7月から販売する。Mサイズが3千円で、Sサイズが2500円。また、京都・東福寺への拝観ツアーも11月末に開催する予定だ。さらに、常栄寺への200万円寄付も全会一致で可決。今井宏泉住職に目録を贈呈した。
5月末時点の会員数は、90法人・225人。会費は、法人が一口1万円で個人が5000円。5000円ごとに1枚の会員証がもらえ、持参者は期間中何回でも、無料で同庭を拝観できる(通常は1回300円)。有効期限は、入会日の翌年度末まで(今月入会したら、20年3月まで)。
同庭の拝観料収入は、1992(平成4)年ごろには年間約8千万円ほどだったが、今は1300万円程度にまで落ち込んでいる。一方で、雪舟庭を含む常栄寺の維持管理・運営には毎年3千万円以上の経費が必要で、赤字が続いている。国・県・市からの補助も十分ではなく、もともと大内氏の私寺だった同寺には檀家もほとんどいない。今は「良かった時代」の内部留保で運営できているが、このままでは早晩底をついてしまう。「その状況を改善させよう」と、同会は2015(平成27)年7月に発足した。