「山口薪能」が、7月29日(日)午後6時から野田神社能楽堂(山口市天花1)で2年ぶりに開催される。主な演者は、能・喜多流の粟谷能夫と粟谷明生、狂言・和泉流の野村萬斎。今回は、明治維新150年を記念して祝いの3演目が上演される。
「能にあって能にあらず」といわれる「翁」は、数種類の歌や舞で構成。五穀豊穣・天下泰平・子孫繁栄を祈り、式三番面と呼ばれ他の演目で使用することのない能面で演じる格式高い特別な能で、能楽堂奉納時以来81年ぶりの上演となる。「翁」を粟谷能夫、「三番叟」を萬斎、「千歳」を野村裕基が演じる。仕舞「枕慈童」では、人間国宝の友枝昭世が登場。
萬斎による狂言「末広かり」は、祝宴の来客への進物用に末広がり(扇子の一種)を買い求めるため都に使いを出した果報者(富豪)と、すっぱ(詐欺師)に騙されて傘を高値で購入して帰った太郎冠者とのやり取りを描く喜劇。
粟谷明生による「石橋」は、唐・天竺の文殊菩薩が住むという清涼山にかかる石橋を舞台に、霊獣の獅子が山一面真っ盛りの紅白の牡丹に戯れつつ豪壮な舞を舞い、世を寿ぐ物語だ。
入場券は、S席1万2千円、A席8千円、B席5千円。購入は、山口観光コンベンション協会(JR山口駅2階、TEL083-933-0088、土日祝休業)で。
同能楽堂は、旧藩主の毛利家により明治維新70周年を記念して1936(昭和11)年に建築、奉納された。1991(平成3)年の現在地への移転修復を機に、野外能「山口薪能」が復活した。今回で19回目。