「平成30年7月豪雨前は、回復しつつあったが、現時点では、まずは豪雨による地域への影響全体について十分に把握する必要がある」。財務省山口財務事務所(TEL083-922-2190)は、7月の「山口県内の経済情勢」を、このように総括判断した。
その要点は、「豪雨前は『個人消費』は緩やかに持ち直しているほか、『生産活動』は回復しつつあり、『雇用情勢』は着実に改善し、人手不足感が引き続き強い状況にある。現時点では、まずは豪雨による地域への影響全体について十分に把握する必要がある」とした。豪雨前の2018(平成30)年度の「設備投資」は前年度を上回り、「企業収益」は減益の見通しだった。
「先行き」は、「豪雨による地域への影響全体について十分に把握した上で判断する必要がある。また、通商問題の動向や海外経済の不確実性、それらに伴う為替の動向などには注視していく必要がある」としている。
調査対象企業からは「雨などの天候不順による客数の減少、生産地の好天による野菜価格の低下などから、飲食料品の売り上げが低調だった」(スーパー)、「洗剤の最適な量を自動計量し投入する機能がついた洗濯機が良く売れており、家事の手間を省ける機能を重視する顧客が増えている」(家電大型専門店)、「共働き世帯の増加に伴い、調理の手間が省ける総菜などを、仕事帰りに購入する人が増えている」(スーパー、コンビニ)、「工事の発注に関する問い合わせはあるものの、現場監督などを行う有資格者が不足しているため、受注を制限せざるを得ない」(建設)などの声が、(豪雨前に)聞かれた。