「山口周辺」は、執筆者である写真家・栗林和彦さんの逝去により、本号掲載の1767回で最終回とさせていただきます。
この連載は、1983(昭和58)年9月2日に開始。第1回目に登場したのは、モクモクとわく入道雲の中、シルエットを浮かべた瑠璃光寺五重塔の写真でした。「思わず芭蕉の“夏草や…”の一句を口ずさまずにはおれない素晴らしさ。大内氏が建て、毛利氏の手に渡った五重塔の経歴を思えば、仏教が説く“空”の世界さえ見えてくる」と賞されもしたその第1回を、本号にカラーで再掲しました(当時はモノクロ)。
1767回にわたり、山口市を中心に紹介された有名・無名の名所・旧跡は、「ふるさとの再発見になる」と、毎回大きな反響がありました。そして最終回の題材は、第1回と同じく、栗林さんが愛してやまなかった瑠璃光寺五重塔でした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「山口周辺」で紹介した写真など、栗林さんによる“昭和の山口”の風景を集めた写真集「昭和の残像」は、弊社で取り扱っています。