山口市が2016(平成28)年度から整備を進めてきた亀山公園山頂広場が、9月22日(土)にリニューアルオープン。午前11時から記念式典があり、式典後にはもちまきもされる。利便性・快適性の向上を目指し、①市街地全体が一望できる眺望の確保②イベントなどで一体的に利用できる芝生広場③バリアフリーに対応したトイレ④園路兼管理道、北側園路⑤池⑥あずまや設置、等の大規模な再整備が進められた。総事業費は約4億円だ。
1900年に開園 砲台や6基の銅像も
亀山公園は1900(明治33)年、亀山の山頂を開いて造られた。開園当初には、毛利敬親ら旧藩主・支藩主の銅像が6基建立されていた。また、現在サビエル記念聖堂が建つ場所には、日露戦争の戦利品の砲台が置かれ、県内外からの観光客も多かったという。だが、戦時の物資不足によって銅像と砲台は供出され、往時のにぎわいは失われていった。戦後、1952(昭和27)年に旧サビエル記念聖堂が建立、1980(昭和55)年に敬親像が復元されたが、1991(平成3)年に旧聖堂が焼失。1998(平成10)年に現在の聖堂が再建されたものの、山頂広場は雑草が生い茂り、眺望も悪くなっていった。
「再生」に向けて 市民運動も活発に
その一方で「亀山からJR山口駅まで一直線に延びる中軸ラインを、ローマのスペイン広場前の『コンドッティ通り』のようにすべき」といった提言がされるなど、市民にとって同公園の存在は大きかった。そして2006(平成18)年、亀山公園を市民や観光客に愛される場に「再生」しようと、「亀山公園を愛し育てる会」(坂本強理事長)が発足。以来、山頂への紅ちょうちん掲灯、ツツジ・アジサイの植樹、遊歩道補修、樹木名板設置、スケッチ大会など、「手弁当」で取り組んできた
今回の再整備計画を考えるワークショップにも積極的に参加した同会の坂本理事長は「山口市によって、亀山公園が立派に生まれ変わったことをうれしく思います。今後も、山口市当局と十分に協議をしながら『かゆいところに手が届く』ような活動を続けていきたい」と話し、「眺望が開けた山頂広場から、歴史や大内文化豊かな市内を眺めてみて」と市民に呼び掛ける。
「花木セリ市」やもちまきなど 「山口みどりのフェスタ」正午から
新しくなった亀山公園山頂広場における催しの幕開けを飾るのは「山口みどりのフェスタ(山口市都市緑化祭)」だ。花木にちなんださまざまなイベントが催される。
正午に開幕。生け垣づくりなどの緑化相談、会場内にある樹木の名前を当てれば花などの景品がもらえる樹木名当てクイズ、緑化樹・花きの販売などがされる。
花の種(ヒマワリなど)や苗木(ブルーベリー)の無料配布(苗木は先着200人、1家族1本)は午後1時から。2時からはもちまきが実施され、庭木などの剪定講習は2時半から。目玉の「花木セリ市」は3時からで、100点以上が出品される。通常は1~2000円で販売されている商品を、100円ほどで買うことができる。
この催しは、10月の都市緑化月間に合わせた緑化推進運動の一環で、毎年全国各地で開かれている。これまで市内では毎年10月に開催されてきたが、2018年は同公園のオープンに合わせることになった。また、2018年の第35回全国都市緑化フェアは、「山口ゆめ花博」として、11月4日(日)まできらら博記念公園(山口市阿知須)で開催されている。
主催者は「駐車場は山頂広場内に用意していないので、市中央駐車場を利用して」と呼び掛けている。なお、樹木名当てクイズへの参加者には、同駐車場の2時間分サービス券が進呈される。