山口大吉田キャンパスが所在する「吉田遺跡」は、山口県内有数の複合遺跡。2018年の調査で竪穴住居跡なども発掘された。
1966(昭和41)年、山口大の各学部が吉田地域に統合移転する工事中、同所から多くの土器や石器が発見された。これをきっかけに「山口大学吉田遺跡調査団」が結成され、1973(昭和48)年まで発掘調査が行われた。その結果、キャンパスのほぼ全域から遺構や遺跡が発掘。縄文時代晩期から江戸時代まで集落を営み続ける山口県内有数の複合遺跡であることが判明した。その後、埋蔵文化財資料館が設立され、現在も保護活動を継続している。
2017年、キャンパス内の「中央広場」に福利厚生施設の新設が計画された。これを受け、2018年1月から8月まで発掘調査が実施され、5世紀頃のものと推定される竪穴住居跡4棟や、山口県内でも珍しい「初期須恵器」と呼ばれる時期の須恵器高坏などが出土した。