第二次世界大戦末期、米軍が上陸し、民間人を含む20万人余りが死亡した沖縄戦。戦後70年以上語られなかった陸軍中野学校の「秘密戦」で明らかになる沖縄戦に三上智恵監督と大矢英代監督が焦点を当てたドキュメンタリー映画「沖縄スパイ戦史」(2018年)が、11月11日(日)に山口県教育会館(山口市大手町2)で山口県内初上映される。西京シネクラブ(TEL083-928-2688)の主催。
1944(昭和19)年、大本営が下した遊撃隊の編成命令を受け、42人の陸軍中野学校出身者が沖縄に渡った。ある者は偽名を使い、教員として離島に配置された。身分を隠し、沖縄の各地に潜伏していた彼らの真の狙いとは。そして彼らがもたらした惨劇とは―。
「標的の村」「戦場ぬ止み」「標的の島風かたか」に続き、本作が4作目となる三上監督と、学生時代から八重山諸島の戦争被害の取材を続けてきた大矢監督は、琉球朝日放送での先輩と後輩。二人の監督がジャーナリストの視点を持って沖縄戦を追った。
同クラブの大久保雅子代表は「昨年6月に上映した『標的の島風かたか』終了後、客席から監督の次回作を期待する寄付金が集まり、山口の皆さんの思いが込められた作品でもあります」と鑑賞を呼びかける。
上映時間は、午前10時半、午後1時半、6時から。3時半からは、三上監督によるトークショーもある。前売り券(電話予約可)は1200円で、同館、YCAM、山口市民会館、C・S赤れんがなどで購入できる。当日券は1500円、19歳から25歳まで1千円、18歳以下800円。