山口市中心部の活性化のシンボルに
JR山口駅の北西、中心市街地内に位置する黄金町地域。居住人口の増加やにぎわい創出を目的とした市内初の「法定再開発事業」により、「道場門前大駐車場」跡地を中心としたエリアが生まれ変わろうとしている。同地区市街地再開発組合(北條栄作理事長)が主体となり、駐車場・マンション・公益および商業施設の3棟からなる複合型施設の建設が本格的に始動。施工面積は約1㌶で、総事業費は約52億円。
2020年3月の完成を目指して建設されている施設は、マンション、立体駐車場、商業施設、公益施設からなる、地上15階建ての複合ビルとして計画されている。老朽化した旧「道場門前大駐車場」の再整備による鉄骨造4階構造の「駐車場棟」(436台)、まちなか居住を促進する15階建てマンションの「住宅棟」(101戸)、まちのにぎわい創出に向けて店舗やオフィスの導入を図る3階建て「施設棟」の3棟で構成。延べ床面積は約2万1600平方メートルとなる。
施設棟の前面には歩道一体型の交流広場が開設予定。また、敷地外周部に整備される幅員2メートルの歩行者空間への街路樹植樹や壁面の緑化計画などもあり、自然環境との共生も図られる。
さらに、同エリア周辺でもインフラ面の整備が促進。施設周辺の道路は約6メートルに拡幅され、緊急車両も通行できるようになるなど、幅員狭小な道路や不整形な敷地の多い同地域の道路整備により、防災性や利便性の向上が期待される。加えて山口駅通りや中心商店街アーケード部などのバリアフリー化を推進し、中心市街地内の回遊性の向上やにぎわい創出に結び付けたい意向だ。
現在、商業施設への出店者および商業床の所有者が募集されている。商業床は、1階に約59平方メートルと約302平方メートルの2区画、2階に約73平方メートルと151平方メートルと173平方メートルの3区画がある。申し込み・問い合わせは、同組合(TEL083-941-6381)へ。
山口市全体をけん引する“まち”に
山口市黄金町地区市街地再開発組合
北條 栄作 理事長
現在、私たちが商いを続ける商店街は「第2期山口市中心市街地活性化基本計画」の主要事業による再開発が本格化しています。市内初の法定再開発事業として進められているこの事業は、「道場門前大駐車場」の再整備計画から始まりました。1979(昭和54)年に建設された駐車場は、長年による劣化や台風などの影響で老朽化が進み、2011(平成23)年ごろには再整備を望む声が上がりました。その後、再整備の議論、勉強会を重ね、地権者の方々の意見をうかがい、行政の指示もいただきながら、2014(平成26)年7月に『山口市黄金町地区再開発準備組合』を設立。同エリアを中心に「住んで良し、生活して良し、しかも安全・安心」な街を作り上げるため「駐車場の再整備」「公共・商業・防災施設棟の導入」「100戸規模の大型マンションの建設」の三つの柱で構築されたプロジェクトをスタートさせました。
一つだけでは点に過ぎないものが集まることで「面」になり複合的になる。エリアを活性化させ、線として周辺商店街とつなぎ、未来への大きな潜在力を有する「まち」に進化させることで、山口市全体もけん引していきたいと考えています。