「身体も心も健康な子どもに育ってほしい」。すべての親が望むことだが、子どもはすぐに熱を出したり、不調を訴えたりする。子どもの身体に何かが起こった時、どうすればよいのか知っておくことで、適切なホームケアができたり、慌てずにかかりつけの医療機関を受診することができる。正しい知識を持って、冷静な行動を心掛けよう。
【発熱】一般的な風邪やインフルエンザ、ヘルパンギーナ、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、はしか(麻疹)、急性中耳炎、プール熱(咽頭結膜炎)、尿路感染症などが主な原因。体温は夕方が高めで、朝方は低めとなるため、1日に何回か測り記録する。子どもの平熱を知っておき、変化を知ることが大切。頭や首、脇などを冷やしてあげると辛さがやわらぐ。脱水症状を防ぐため、湯冷まし、経口補水液などでこまめな水分補給を。乳児の場合は、母乳やミルクを欲しがるだけ与える。顔色が悪くぐったりしていたり、けいれんが出たら、すぐに医療機関を受診すること。
【発疹】肌トラブルの場合は、肌を清潔にして、保湿などをする。病気の一症状の場合は、発疹の出方や形で診断がつく場合もある。高熱が伴いぐったりしている、目の充血、手足の腫れが見られたときなどは早めに医療機関へ。突発性発疹、水痘(水ぼうそう)、風疹、はしか(麻疹)、溶連菌感染症、りんご病(伝染性紅斑)、手足口病などがあり、病気によって対処が異なる。塗り薬は、入浴後など患部が清潔な状態のときに丁寧にむらなく塗る。かゆみで身体をかきむしることもあるので、爪は短くして滑らかに。
【せき・鼻水】空気が乾燥していると、せきが出やすいので、加湿器や洗濯物の部屋干しなどで保湿を。水分補給によりのどの自浄作用が活発になり、たんも切れやすくなる。風邪以外には、急性気管支炎、細気管支炎、急性喉頭炎、百日ぜきなどがあり、せきの音などが異なる。
【嘔吐・下痢】経口補水液などを少しずつ与える。かんきつ類や乳製品は与えないように。腹部が張っていないか、1カ所だけ痛がらないか確認。原因にはロタウイルスやノロウイルスなどの感染するウイルス性胃腸炎、激しい嘔吐や下痢が見られる細菌性胃腸炎(食中毒)などがある。受診するときは、吐いたものの内容や回数などを医師に伝える。血便を伴うとき、頭を打ったあとや緑色(胆汁)の嘔吐時は至急受診すること。
【けいれん】けいれん時間によって診断が異なるので、慌てず目の動きや手足の曲げ伸ばしができるかなどを観察すること。大声で声を掛けたり、ゆすったりは厳禁。窒息の危険があるので、口の中に手や物を入れない。平らな場所に移動して衣服を緩める。嘔吐の可能性もあるので、横向きに寝かせる。
【アレルギー】アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくは、ダニやハウスダストが主な原因。床・家具の水拭きなどこまめな掃除でアレルゲンを家から排除すること。食物アレルギーは卵、牛乳、大豆などが原因となる場合が多く、血液・皮ふ検査、食物負荷テストをすることで判別できる。