弊社主催の「2020年新年写真コンテスト」には、44人から83点の応募がありました。山口県立大でデザインや写真表現などを研究されている国際文化学部の倉田研治准教授に審査委員長を務めていただき、2019年12月9日、弊社・開作真人社長とともに審査を実施しました。
その結果、最優秀賞には東杏子さん(山陽小野田市)による「夕輝」が選ばれました。東さんには、賞状と賞金3万円を贈呈します。
また、優秀賞には松本康志さん(島根県津和野町)の「はじまりの時」、吉田拓史さん(三重県四日市市)の「スポットライト」、村田利子さん(宇部市)の「笑顔で国際交流」の3点が選ばれました。それぞれ、賞状と賞金5000円を贈呈します。
また、それ以外にも優秀と認められる作品が多くあったため、新たに「佳作」10点を選定。選ばれたのは、飯田りえ子さん(宇部市)の「令和を祝う」、内山えいじさん(周南市)の「五月の頃」、大庭具史さん(山口市)の「きらめく」、重村哲雄さん(山口市)の「朱の刻」、樋口琢哉さん(山口市)の「初雪」、松浦寛さん(福岡県久留米市)の「大海漁港に咲く秋の花」、森本絢子さん(山口市)の「桜に包まれる五重塔」、山田拓也さん(下関市)の「神秘的な真夏日」、山津翔大さん(佐賀県鳥栖市)の「秋の色」、吉岡岳志さん(山口市)の「サンセット」でした。皆さんには賞状を贈呈し、作品はサンデー山口紙面で紹介します(各掲載日は未定)。
すべての写真は、こちらの特設ページでご覧いただけます。
「2020年新年写真コンテスト」講評
審査委員長 倉田 研治
[総評]
今回は令和最初の写真コンテストであり、2020年の幕開けを飾る新たなテーマ設定に多くの力作が寄せられ、厳正な審査を行った。対象エリアが山口ゆめ回廊(山口県央連携都市圏域)の山口市、宇部市、萩市、防府市、美祢市、山陽小野田市、島根県津和野町に広がり、各地から四季折々の多彩な作品が応募された。サンデー山口は地域に密着したメディアであり、この写真コンテストを通じて地域の魅力が共有されること、コミュニケーションツールとして展開されていることは意義深く、対象エリアの拡大は応募作品の表現の広がりに繋がっている。広く多くの作品を、読者の皆さまと共有したいと考え、優れた作品については「佳作」として評価している。今後も、身近なフィールドである山口ゆめ回廊にまなざしを向け、写真表現を楽しんでもらいたい。
[最優秀賞]
「夕輝」は、満開のコスモス畑が幻想的に捉えられた作品である。逆光で捉えられた夕日は光の道となり、コスモスは煌めきをまとい広がりを見せている。奥行きある夕焼け空の色とコスモスの間に、3人の人物がアクセントとなり物語を想起させる。構成美とともに想像力を刺激する、秀逸な作品である。
[優秀賞]
「はじまりの時」は、水墨画のように穏やかで神秘的な時の流れを切り取っている。出会った深い霧の山中を、よく考えられた構図で捉えた作品である。
「スポットライト」は、絶好の視点場から多くの要素を一つの風景として集約している。指月山への光線、街の灯り、空は奥が夕焼けで染まり手前の雲は流れている。動的であり、印象的な瞬間を捉えるのに成功した作品である。
「笑顔で国際交流」は、瑠璃光寺を舞台に楽しさが伝わる瞬間が切り取られている。人物それぞれの表情が、その場の雰囲気の良さや撮影者との心地よい距離感を感じさせる作品に仕上がっている。