明けましておめでとうございます。本年も山口博物館をよろしくお願いします。干支の丑にまつわる星座のおうし座は、冬を代表する星座です。赤く輝く1等星のアルデバランと6~7個の星が小さく集まって見えるプレアデス星団が目印です。
プレアデス星団という名前より、和名の「すばる」の呼び名をご存じの方が多いと思います。「すばる」って外国語のように聞こえますが、れっきとした日本語で、「まとまる」「一つに集まる」という意味です。山口県をはじめ多くの地域では「すまる」や「すまるぼし」、「しまる」と呼ばれていました。
「星は昴、彦星、太白星(金星)…」と清少納言は枕草子ですばるを一番に書いています。すばるは明るく目立つことはありませんが、ほのかな美しさを醸し出している姿を澄んだ冬の星空に見つけて、清少納言の思いに浸ってみてはいかがでしょうか。
山口県立山口博物館 天文担当 岩村 和政