2020年の干支はねずみ。日本の民話にはねずみの出てくるものがいろいろありますが、「ねずみのよめいり」もその一つ。今回紹介するのは、その民話をもとに児童文学作家の岩崎京子さんが文を書き、二俣英五郎さんが絵をつけた作品です。
ねずみ一家は三人暮らし、おっかさんは年頃の娘によい嫁入り先を見つけたいと思っているのに、おとっつぁんはかわいい娘を嫁にやるのが惜しくて「まだ はやい」と言うばかり。そこで動きだしたのが世話好きなおじさん。編笠をかぶり杖を手に、おとっつぁんのいう「せかいで いちばん えれえ むこどの」を探しに行きます。
おてんとさま、くもどん、かぜどん…と声をかけながら歩き回った末、「せかいで いちばんはねずみに きまっとる」とかべに言われ、納得。
おじさんからその話を聞かされた娘は、にっこり笑って「ねずみで よかった。」結局、隣り村の村長の跡とり息子のところへ嫁ぐことになり、めでたし、めでたし。
もとになった素朴な民話と読みくらべてみるのもおもしろいですよ。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)
教育画劇
文:岩崎 京子
画:二俣 英五郎