2月は「全国生活習慣病予防月間」。生活習慣病予防に対する意識向上や健康寿命の延伸を目指し、「“一無二少三多”で生活習慣病予防」がスローガンに掲げられている。一無は「無煙・禁煙−喫煙は万病の元」、二少は「小食−食事は腹七~八分目」「少酒−お酒はほどほどに」、三多は「多動−身体を活発に動かす」「多休−休養をしっかりとる」「多接−多様なつながり」。日本生活習慣病予防協会では、「多動」(元気に動いて健康づくり)を2020年の強化テーマとし、様々な啓発活動を実施する。
生活習慣病とは?
厚生労働省の「平成29年度人口動態統計」によると、死因の54.5%を生活習慣病が占めている(グラフ参照)。
生活習慣病は、食生活や運動・睡眠不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣と、家庭・社会環境におけるさまざまな因子の積み重ねによって引き起こされる病気の総称。具体的には、糖尿病、高脂血症、高血圧、骨粗しょう症などが挙げられ、中でも死亡率の高いがん、心臓病、脳卒中は「三大生活習慣病」と呼ばれている。
また、内臓脂肪型肥満を要因とする「メタボリックシンドローム」は、高血糖、脂質異常、高血圧のうち二つ以上が当てはまった状態のこと。放置しておくと動脈硬化が進み、心臓病や脳卒中など、命にかかわる病気の危険性を高めてしまうので、注意が必要だ。
予防するには?
内臓脂肪を減少させると、生活習慣病の発症リスク軽減につながる。
まずは運動を習慣づけよう。掃除や洗濯などの家事、徒歩での通勤・通学も運動になる。
次に食生活の見直しをしよう。脂っこいものや甘いものの食べ過ぎには注意。3食を規則正しく、よくかんで味わう。それが大食い防止や脂肪燃焼の効率アップにつながる。
禁煙も重要だ。喫煙は動脈硬化や高血圧を招く危険因子。吸う本人はもちろんのこと、煙を吸い込む周囲の人にも悪影響を及ぼす。
そして定期的に健康診断を受けよう。掲載の医療機関も参考に、生活習慣病への認識を深めるとともに血糖値や血圧などの数値の変化に応じて生活習慣を改善していこう。
生活習慣病は、以前「成人病」と言われていたように、30代~40代で急増。しかし近年では発症年齢が低下し、若者や子どもにもその兆候が見られるようになってきた。初期段階では自覚症状がほとんどなく、気付かぬうちに自分の体が病気にむしばまれていたということもありうる。「自分はまだ大丈夫」「病院に行くのが面倒だ」などと、何かと健康診断を後回しにしている人は特に要注意だ。
初期の段階で発見できれば、生活習慣の見直しや適切な薬物治療により、進行を食い止めたり改善したりすることができる。早期発見のために、定期的な健診を受けることが最善策と言えよう。