山口県民の海外移住の歴史は約150年前に始まり、多くの人がハワイ、ペルーへと海を渡って移住した。
2019年に日本人ペルー移住から120年を迎えたことを記念して、JICA中国と山口県ペルー協会は、先人の功績を知ってもらおうと、講演会「マチュピチュ村を拓いた男 野内与吉とペルー日本人移民の歴史」を開催する。日時は2月22日(土)午後1時から4時までで、会場は山口県政資料館(山口市滝町1)。入場は無料で、事前申し込みも不要。
世界遺産・マチュピチュ遺跡のあるマチュピチュ村の開拓・発展に尽くしたのが、日本からの移民である野内与吉だった。1917年、22歳で福島県からペルーへ移住した与吉は、鉄道建設に携わったことがきっかけでマチュピチュ村に定住。水力発電所の建設や、村で初の木造建築ホテル「ホテル・ノウチ」を建て、村の郵便局や裁判所として無償で貸し出すなど、初代村長として村の発展に大きく寄与した。
今回、野内与吉の功績と、日本人移民たちが苦難を乗り越えてきた歴史について、与吉の孫で日本マチュピチュ協会会長の野内セサル良郎氏が語る。クスコ出身の同氏は日系ペルー人三世。16歳で来日後、働きながら高校、大学へ進学し、大学院では祖父である与吉氏と日本人移民について研究した。2019年、秋篠宮家の長女眞子様のペルー公式訪問時には現地案内役を務めるなど、両国の懸け橋として活動している。
さらに、山口県ペルー協会の湯田克治副会長が、移住の背景と歴史や、現在の山口県とペルーや日系社会との関わりについて講演する。
会場では午前11時からペルー展も同時開催。山口県ペルー協会によるパネル展示や、ストールなどのアルパカ製品を中心としたチャリティーバザーが行われるほか、2019年12月収録の「出張!なんでも鑑定団in山口」(2020年3月末放送予定)に出品された、ペルーで藤田嗣治が描いた猫の絵も特別展示される。